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経審評点UP対策

評点項目とウェイト

経営事項審査では、許可を受けている建設業の29業種ごとの審査が行われ、それぞれの業種ごとに総合評点値(P)が算出される。
 総合評点値(P)は、完成工事高(X1)、自己資本額および平均利益額(X2)、経営状況(Y)、技術職員数および元請完成工事高(Z)、その他の審査項目(社会性)(W)のそれぞれの審査項目について評点を求め、その後、一定のウエイト(係数)を掛けて算出する。

各審査項目のウェイト

総合評価値(P)の計算方法

総合評点値(P)=0.25(X1)+0.15(X2)+0.2(Y)+0.25(Z)+0.15(W)

土台となる評点項目

総合評点値(P)は、5つの評価項目で構成されています。そのうち、X2、Y、Wの3項目は、全業種に共通して加点される項目ですが、X1は業種ごとの売上高、Zは業種ごとの技術職員数と元請工事高を評価する項目で業種によって点数にバラつきがある項目です。よって、上記の図で示したように、X2、Y、Wが土台となります。経審の評点を全業種底上げしたい場合は、まず土台となるX2、Y、Wの項目を重要視することです。中小企業は特にYとWの評点対策を取組むべきで、即効性があるのは、その他の社会性(Y)です。

総合評点値(P)

その他の社会性(W)対策

その他の社会性(W)は、審査基準日(決算日)時点での、加入の有無・何名いるか・何台あるか等の審査項目であるため、即効性があり、まず最初に取組むべき審査項目です。中小企業で、加点を得ている業者数が多い項目は以下の通りです。

中小企業が加点を狙うべき評価項目

①法定外労災(上乗せ労災)
②退職金制度又は企業年金制度
③建設業退職金制度
④防災協定

それ以外で、中小企業に短期的に評点UPにつながる項目は以下の通りです。

建設業経理士

建設業経理士(1級・2級)の合格者数は、完成工事高1億円未満の中小企業では、
建設業経理士(2級)1名で、総合評点Pで14点加点され、
完成工事高10億円未満の場合は、総合評点Pで9点加点されます。

建設機械の保有

油圧ショベル等の建設機械を1台所有している場合は、総合評点Pで7点加点されますので特定自主検査等を毎年忘れず受けることが重要となります。

その他の社会性 総合評点P換算表

審査項目総合評点
P換算
建設業の担い手の育成及び確保に関する取組の状況(W1)
建設業退職金共済制度加入の有無20
退職一時金制度もしくは企業年金制度導入の有無20
法定外労災補償制度加入の有無20
若年技術職員の継続的な育成及び確保の状況1
新規若年技術職員の育成及び確保の状況1
技術者CPD単位取得数・技能者レベル 向上者数0~13
女性活躍推進法に基づく認定の状況3~7
次世代育成支援対策推進法に基づく認定の状況4~7
若者雇用促進法に基づく認定の状況5
建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況(CCUSの導入状況)7~13
建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度の宣言の有無7
建設業の営業継続の状況(W2)
営業年数0~79
民事再生法又は会社更生法の適用の有無-79
防災活動への貢献の状況(W3)
防災協定の締結の有無26
法令遵守状況(W4)
営業停止処分の有無-39
指示処分の有無-20
建設業の経理の状況(W5)
監査の受審状況0~26
公認会計士等の数0~13
研究開発の状況(W6)
研究開発費0~33
建設機械の所有状況(W7)
建設機械の所有及びリース台数0~20
国又は国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の状況(W8)
エコアクション21の認証の有無4
ISO9001の登録の有無7
ISO14001の登録の有無7

自己資本額・平均利益額(X2)対策

X2は、短期的対策で評点アップをするには、資本金の増資と減価償却費の計上。減価償却費は平均利益額に加算されるため、減価償却実施額を正しく計上することで評点アップにつながります。減価償却実施額に含むことができる確定申告書の別表16は以下の通りです。

減価償却実施額に含むことができるもの

全て含めます
別表16(1) 【定額法】別表16(2) 【定率法】
別表16(4) 【リース】別表16(8) 【 一括 】
※特殊な場合を除く
別表16(6)【繰延資産】の場合
別表16(7)【少額資産】の場合

完成工事高(X1)対策

完成工事高が多ければ、総合評点が上がる。経審では、経審を受けない業種の完成工事高を経審を受ける業種の完成工事高に移行する方法が認められています。一定のルールがありますので下記を参照下さい。

完成工事高を移行する場合の注意事項

①移行元と移行先の業種の建設業許可を取得していること
②移行元の業種の経審は申請できない。
③審査対象年度のみの移行はできない。前期、前々期も移行する。

移行できる業種の例

専門工事を土木一式工事に移行する場合
移行元業種大工、とび・土工、石、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、塗装、水道施設、解体
移行先業種大工、とび・土工、石、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、塗装、水道施設、解体
専門工事を建築一式工事に移行する場合
移行元業種大工、左官、とび・土工、石、屋根、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、舗装、板金、ガラス、塗装、防水、内装、建具、解体
移行先業種建築一式
石・造園工事をとび・土工に移行する場合
移行元業種石、造園
移行先業種とび・土工
電気と電気通信工事間で移行する場合
専門工事業種電気
専門工事業種電気通信
管と水道施設間で移行する場合
専門工事業種管
専門工事業種水道施設

経営状況分析(Y)対策

経審で評点UPする決算書とは

  • 現金預金が多い
  • 固定資産が少ない
  • 毎年黒字が多い
  • 借入金が少ない
  • 自己資本比率が高い
  • 貸借対照表はコンパクト

評点の影響度は

経営状況分析には8指標あり、評点の影響度は、全て同じではなく指標ごとの影響度に差があります。

Y評点8指標の影響度

指標影響度
(X1)純支払利息比率29.9%
(X2)負債回転期間11.4%
(X3)総資本売上総利益率21.4%
(X4)売上高経常利益率5.7%
(X5)自己資本対固定資産比率6.8%
(X6)自己資本比率14.6%
(X7)営業キャッシュフロー(絶対額)5.7%
(X8)利益剰余金(絶対額)4.4%

上記の通り、(X1)純支払利息比率が29.9%、次いで(X3)総資本売上総利益率が21.4%で2つの指標で50%以上となります。
支払利息をいかに圧縮するか、売上総利益をいかに上昇させるかが経営状況の評点UPにつながります。

中小企業が取り組むべき指標は

8つの指標の中で、中小企業が取り組むべきは、下記の4つの指標です。

(X1) 純支払利息比率

 概要 
支払利息は少なく、受取利息及び配当金、売上高(完成工事高と兼業売上高の合計)が多いことが高評点。

 評点UP対策 

  • 総売上高は多い方が高評点。
    雑収入から兼業売上高への見直しをする。
  • 支払利息減らすことが高評点。
    支払利息と手形割引料を区分けする。
    手形割引料は、雑損失か手形割引料(手形売却損)として別項目にする。
  • 受取利息配当金増やすことが高評点。
    雑収入の中に貸付金利息、受取配当金が計上されていたら、受取利息配当金として計上する。
(X2) 負債回転期間

 概要 
売上高(完成工事高と兼業売上高の合計)が多く、負債が少ないことが高評点。

 評点UP対策 

  • 決算日時点で負債を少なくすることが重要。
    借入金・役員借入金等の返済・債務免除をする。
  • 決算月が適切かどうか検討する。
(X3) 総資本売上総利益率

 概要 
総資本(負債純資産合計)が少なく、売上総利益が多いことが高評点。

 評点UP対策 

  • 売上に占める売上原価の割合を下げる。
  • 遊休資産を売却して借入金の返済にあてる。
  • 減価償却実施して総資本を減らす。
(X6) 自己資本比率

 概要 
総資本(負債純資産合計)に占める自己資本(貸借対照表の純資産合計)の割合が高いほど高評点。

 評点UP対策 

  • 増資し、資本金を増やす。
  • 毎年黒字を継続する。
  • 遊休資産を売却して借入金の返済にあてる。